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2022年7月11日は源泉所得税(納期の特例は1月から6月までの徴収分)の納付期限です



例年だと7月10日が納期限の夏期源泉の納期限(当年は10日が日曜日なので11日)が近くなってきました。弊事務所でも、6月の給与支給額が確定したお客様に、通知を始めております。納付書の作成にあたっての打ち合わせの際、お客様から源泉の仕組みについてご質問をいただくことがあります。会社経営者や個人事業者等は、源泉所得税について、各月ごとに作業が発生するため、最低限の基本を理解しておかれると良いかと思います。源泉の基本についてコラムとしてまとめていければと思います。


源泉所得税とは

源泉所得税とは、本来納税すべき者に代わってその者の所得税を納付するため、本来の納税者から徴収する所得税のことです。サラリーマン等の給与所得者の方の場合、社会保険料等と一緒に給与から天引きされています。(会社員時代の知らないうちに引かれていたあのお金です!)あなたが経営者だった場合、自分が源泉徴収義務者になりますので、自社で雇用している給与所得者(従業員(サラリーマン))の方から源泉所得税を天引きすることとなります。また、法人経営者で自分に役員報酬を払う場合も、自分への報酬も給与所得になりますので、源泉徴収をする必要があります。


源泉徴収制度

所得税は、原則として自分で確定申告書を作成し、自分で納税をする申告納税制度が採用されています。これに対して源泉所得税は、給与や賞与、原稿料や税理士その他士業の報酬等、一定の支払いを、支払者側が事前に支払金額から本来受取者が納付すべき所得税の一部を源泉所得税として天引きし、天引きした所得税を本人に代わって納付します。これを「源泉徴収制度」といいます。法人経営者の場合は、自身が役員報酬を受け取りますので、他に従業員がいなくても源泉徴収義務者になります。また、従業員がいる個人事業者もスタッフの源泉を徴収する必要がありますので源泉徴収義務者となります。また、個人事業者でスタッフがいない場合であっても奥様に専従者給与を払っている場合は、源泉所得税を徴収し、代わりに納付する必要があります。なお、震災後は、源泉所得税に復興特別所得税が上乗せされて徴収されることとなっていますが、わかりにくくなりますので、ここではまとめて源泉所得税と説明しています。


源泉所得税の対象

経営者が源泉所得税を徴収する必要があるもので、主なものは、次の2つです。

・役員報酬

・給与

これらは、毎月発生しますので、毎月徴収し、原則翌月10日までに納付することになります。(ただし、一定の条件下、届け出をすることにより特例あり。)

次に、毎月発生する可能性があるものは、次のものです。

・税理士等の報酬

税理士や社会保険労務士、弁護士等と顧問契約をし、毎月報酬を支払っている場合には、税理士等の報酬についても原則毎月源泉徴収し、翌月10日までに納付することになります。

その他、年に数回発生する可能性があるものです。

・賞与

・退職金

・原稿料や講演料の報酬

上記3つは、支払いが発生した時だけ源泉徴収し納付することになります。

これ以外にも写真家への報酬など、源泉徴収をする必要があるものもあります。この場合、源泉所得税が天引きされた請求書が送られてくると思いますので、請求書を見た段階で確認すれば十分対応可能です。


弁護士法人への報酬支払時には注意が必要です

支払の相手先が国内の法人である場合には、源泉についてほとんど注意する必要はありません。相手先が内国法人で源泉徴収が必要な支払は、利子や配当などの特定のものであり、報酬や支払対価での源泉控除は通常考えなくとも構いません。

なお、配当支払など非日常的な支払時には税理士にご相談ください。

※ただし、所得税法第204条第1項第2号の報酬等に該当する場合は、「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」の提出は必要。

内国法人に支払う報酬・料金等で源泉徴収の対象となるものは、馬主に支払われる競馬の賞金のみです。国税庁のタックスアンサーでも「税理士法人や弁護士法人は、いずれも内国法人に該当しますので、源泉徴収は不要です」と記載されています。

ところが、たまに弁護士法人からの請求書で源泉税が控除されているものがあります。理屈としては、弁護士法人は請求業務だけを行っており、法律業務の提供は、あくまでも個人の集まりである民法上の組合であるから源泉対象ということのようです。

請求書への支払を済ませた後で、弁護士法人は源泉ゼロだったはずと思い込んで、申告納税しないと支払者側の責任となってしまいます。弁護士法人への報酬支払をした時の源泉税の申告納付には注意が必要となります。


イメージ

法人⇔法人

・源泉徴収について、意識するケースは少ない。

法人⇔個人

・源泉徴収が必要なケースが多い。

個人⇔個人(専門家)

・ケース・バイ・ケース

といったところでしょうか。


士業等の報酬で源泉徴収しなくていい場合

税理士と顧問契約をしている場合でも、個人事業者で従業員がなく、給与等について源泉徴収をする必要がない場合には、税理士等の士業報酬、原稿料、講演料等について、一部を天引きし、代わりに納付する必要はありません(全額を税理士等に払えば良いです)。税理士側の確定申告で納付される事になるからです。


源泉所得税の納付書

源泉所得税の納付書は、役員報酬・給与・賞与・退職金・税理士等の報酬について

・「給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書」という納付書を使って納付

原稿料や講演料等について

・「報酬・料金等の所得税徴収高計算書」という納付書を使って納付


年末調整(国内の多くの給与所得者)

年末に会社が年末調整を行い、在籍している給与所得者の方の所得税の納付額を計算します。計算の結果、本来のその方の所得税額より天引きした源泉所得税が多ければ会社が本人に還付し、逆に足りなければ本人から徴収します。年末調整によって行った還付・徴収については、毎月納付であれば、1月の源泉納付時に調整することになります。


給与所得2,000万円超の給与所得者

ただし、給与等の金額が2,000万円を超える者に関しては年末調整を行わない。(個々人で確定申告をするということ)

勤務医の先生等が該当されることが多いです。


(参考)

その年の給与等の金額が2,000万円を超える者については年末調整を行わないこととなっていますが、この場合の「給与所得の源泉徴収票」は、どの欄を記載することになりますか。


「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出した居住者で、その年中に支払うべきことが確定した給与等の金額が2,000万円を超えるものについては、年末調整の対象にはなりません。

 年末調整の規定の適用がない場合、下記の記載例のように、「支払を受ける者」の「住所又は居所」、「氏名」及び「個人番号」、「種別」、「支払金額」、「源泉徴収税額」、「控除対象扶養親族の数」、「障害者の数」、「社会保険料等の金額」、「控除対象扶養親族」の「氏名」及び「個人番号」等を記載することとなっています。


国税庁HP

https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/hotei/7/14.htm



源泉所得税の不納付加算税と延滞税

源泉所得税の納付について、期限は絶対です。1日でも遅れてしまうと、納付額の10%をペナルティーとして追加で払うことになります。これを不納付加算税といいます。なお、税務署からの指摘前に、自主的に納付すれば、不納付加算税は5%に減額されます。また、不納付加算税とは別に、納期限の翌日から完納日までの期間に応じて延滞税もかかってきます。


その他

納期の特例を選択している場合、7月10日が半年に一度の源泉所得税の納期限になります。社会保険の算定基礎届、労働保険の年度更新手続きについても、期限は7月10日になりますので、社会保険や労働保険に加入している場合は、あわせて行う必要があります。(当年は7月11日)


手続き

・毎月給与から源泉所得税を天引きして徴収

・税理士報酬等も源泉所得税を天引き

・天引き月の翌月10日までに、納付書で納付する

納期の特例を選択している場合、納付は7月と1月の年2回、半年分を納付

1月に年末調整で過不足を精算する必要がある

・納付が遅れるとペナルティーがある

・7月10日の夏期源泉納付期限は、社会保険・労働保険の提出期限でもある



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